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専門学校


"三遊亭圓窓 中央美術学園 特別講義"

2004(平成16)年6月7日(月)
中央美術学園

まずは 圓窓から口上

 武蔵関で下車して中央美術学園へ。
 この学園で講座を持つ、漫画家のクニさんからの依頼である。専門学校での落語の
授業は初めてと言っていいので、緊張気味。
 それに、クニさんは「学生に落語のライブを鑑賞させて、後日、それをコミックに
する授業をしたい」と言うので張り切らざるをえない。
 講義、落語ライブ[蕎麦清]と2時間もやってしまった。
 ここはコミック・イラスト・アートの科がある。そのうち40人ほどが参加してく
れた。
「言わずに言う。描かずに描く。これが創作の真髄」などと言って、自作の俳句
「返さずにゐるハンカチのやはらかさ」を披露までしたが、その効果は……?
 郡山学長は日大芸術学部文芸学科卒の彫刻家。創業者の父親は画家だった、と聞く。


 学生たちの感想を読んでください。



「学生がとても喜んでいました」     中央美術学園 コミック科 助手 菊地
 前略
 中央美術学園での講演、大変ありがとうございました。
 学生達もとても楽しい時間が過ごせたと喜んでおりました。
 早速ではありますが、今回の落語講演の感想を集めましたので、会場の写真と合わ
せてお送り致します。



「寄席にも行きたい」               イラスト科2年 奥間真祈子
 落語をライブで聞いたのは初めてでしたが、すごく面白く、あっという間に時間が
たってしまいました。
 これからはもっと落語に興味を持ち、寄席など聞きにいくようにしたいです。
 どうもありがとうございました。



「私も絵で表現したい」                         匿名
 落語を見るのは初めてでした。
 師匠の役の演じ分けがすばらしかったです。
 せんすや手のあつかい方で、そこにモノがあるように見えるのがすごいと思いまし
た。
 そのモノがそこになくても、あるように見せるワザを私も絵で表現できるようにな
りたいと思います。



「落語を初めて聞くので、ドキドキして」         イラスト科 吉井友美
 とにかくとにかく楽しかったです。落語をちゃんと全部聞いたのは初めてでドキド
キしていましたが、師匠のしゃべりにあっというまにひきこまれました。
 次、落語を聞く時は寄席に実際に行きたいです。
 落語ってこんなに楽しいものだったんですね。それに気付くことができてすごくう
れしいです。
 ありがとうございました。



「感動しました」                  イラスト科2年 松岡千尋
 今日ははじめから終わりまで、笑ったなぁという2時間でした。落語は聴いた事が
ありましたが、言葉の意味が分からず、ストーリーがつかめないという事もありまし
た。(うわばみ=大きい蛇というように)
 今回は師匠が説明等をまじえて話してくださったので、本当に分かりやすく楽しめ
ました。[そばせい]はそばがおなかいっぱいに入っている感じがとてもリアルで、
見ている方も同じ気分になってしまいました。
 場面や人物がパッと変わってもすぐに分かりましたし。(以前、聴いた事のある落
語は、場面の変化に気づけなかったり・・・)今回は本当に感動してしまいました。
 また機会があった時は師匠の落語を聴いてみたいなと思いました。
 今日は本当にありがとうございました。



「眠くならなかった」                      N 森佳菜子
 そばを食べるのがすごくうまく、わかりやすくておもしろかった。
 実際に食べているのを見るよりもふんいきがあった。
 落語だけでなく、講義で落語に関する文字、話などもおもしろおかしく説明しても
らってよかった。私はたいてい起源やら何やらの話になると眠くなってしまうのだが、
 最初から最後まで興味深く、楽しく聞かせてもらった。さすがかたりのプロだなと
思った。
 今度、時間とお金があったら、浅草あたりの本場に落語を聞きに行ってみようと思
う。



「雑談からいつの間にか 噺に滑り込む」                  匿名
 雑談のような入りから、いつの間にか噺にすべり込むその感じに感動。まさに自然
だった。
 あくまで「はなし」を聞かせる、小手先の笑いは絶対にしないというプライド、こ
だわり、あるいは自尊心のようなものをひしひしと感じた。
 一つのことを究めた人には、力があり、そして強いのだと妙に納得した。



「役立つものがつまった2時間」           イラスト科2年 大石佳代
 今日は本当にありがとうございました。
 私は絵本作家になりたいのですが、これから役立つものが本当にたくさんつまった
2時間でした。
 私の中では、笑いをとることよりずっと、ここまで話の中にひきこめる職人技とい
うのがすごく魅力的でした。何も知らない学生にこんなに親身になって大切なものを
教えてくださって、これからの生活に生かしていきたいと思います。
「言わずに言う」これをモットーにモノづくりをしていきたいと思います。それと、
自分が前に出て人様に話をするときは、本日、学んだことを少しでも使って自分の伝
えたいことをより深く伝えるようにできたらいいなと思います。
 お話の中でわかったのですが、日頃の情報収集は大切だということです。そして、
表情は人間を動かすひとつの道具ですね。本当に表情豊かで、3人のひとがそこにい
る(というのか、のりうつったような)感じでした。
 本当にあたたかい人がらで安らげる、優しい目をしていて、かつ意志の強い目をし
ていらして、芯のある方の生き様を見た気がしました。
 私も強い芯を持って表現をしていきたいと思います。
本当に、人生の深い話を聞かせて頂いてありがとうございました。心の目のさめるよ
うな思いで聞かせて頂きました。



「〈枕的〉がとてもよかった」              コミック科 藤倉俊也
 7日はどうもありがとうございました。
 演目ももちろん良かったですが、「枕的」講義がとても良かったデス。
 さすが日芸で講義をなさっていられるので、こころえたもンですネ。
 生徒達も初めて聞く(何人かを除く)落語に堪能してたみたいデス。
 今回コミック科としての授業だったので、絵に関するのはコミック科の生徒だけな
ので観客の人数よりずっと少なくなりますが、出来上がった作品は読んでいただきた
いと思います。
 本当にお疲れさまデシタ。



「テレビのお笑いとは違うんだなぁ」                山田有貴子
 私は元々お笑いが好きで、よく漫才やコントをテレビで見ます。それでなれている
ので、今回初めて落語を見て、違うんだなあと思いました。
 まず最初に、講義の開設で落語はお話だと聞きましたが、それには驚きました。師
匠が座っても、早刻からの解説が続いているので、いつ始まるのかなと思ったら、い
つの間にか始まっているのです。
 普段のお笑いになれていますと、これにはいささか戸惑ってしまいます。と同時に、
ああ、だからお話なんだと感心しました。
 それから座るのが大変と聞きましたが、それには納得です。私も本日、床に座って
聞いていました。それも正座で。かくて一時間ともたなかったという有様でした。



「落語を地味とは思いません」                     畠山彩
 先生は、落語は他と比べて地味だと言ってましたが、全然「地味」とかいう印象は
受けませんでした。言葉だけでなく、表情一つにしてもインパクトがあって、落語に
は視覚的な面白さもあるんだなあと思いました。
 その時その時のお客さんで、言葉の盛り込み方を話しながら変えられるなんて、落
語家の方は頭の回転が速いんですね!



「印象に残った『語らずに語る』」                  岡野武仁
 落語の[そば清]では最後のオチを聞いて「なるほど!」と納得させられました。
 特に印象に残ったのは圓窓師匠の「語らずに語る」という言葉です。これは実際に
はとても難しいことだと思います。
 ありがとうございました。



「演技にも引き付けられる」                     柳澤郁美
 落語を初めて生で体験して、微妙な間の取り方、しぐさ、話し方、話自体、おもし
ろくて聞き入ってました。
 テレビでやってるのを見たりなどはしたことありましたが、生で聞くのはやはりい
いなーと思いました。
 話すだけでなく演技みたいなのもあって、ひきつけられました。とても楽しかった
です。



「無理なく笑えた」                           丸山
 初めて生で落語というものを聞いて、非常に感動しました。
 落語への入り方も自然で、ムリなく笑えました。
 ライブ[寿限無]などは現代っぽくアレンジしてあって、楽しかったです。
 また師匠の落語の話を聞きたいなと思いました。本当に面白くて笑えました。



「落語に対する考えを変えました」                    匿名
 今まで落語とは面白いお話だと思っていましたが、今回の授業で考えが変わりまし
た。奥が深く、言葉一つ一つの意味を知り、大切にし、語る、と私は思いました。
 本当にありがとうございました。
「師匠のオリジナルの噺も聞きたい」             コミック科 新幡
 今回、落語を間近に見る事が初めてでとても感動しました。
 落語の始まり、表現、間合い。己を表現しようとする私達にとても勉強になりまし
た。落語でのおもしろさ、紙ではけしてできない笑いと感じました。
 次こそは師匠のオリジナルの噺も聞きたいです。



「創作のとき、いっぱい傷つこう」                    匿名
 師匠のお話、凄く楽しかったです。
 ボードの近くで、やたらとうなずいていたメガネ女ですが、ただ、もう本当にお話
しを耳にすると「なるホド!!」と思って、うなずいてしまうのです。
「噺」と「漫画」は似ていないようでとても似ていて、びっくりしましたし、私はこ
れから作品を創る時、いっぱい傷つこうと思います。そして、自分と相手の人とで1
00%のモノを創れるように努力します。
         (圓窓註:創作の創には「傷」という意味もある、と講義した)
 最後になりましたが師匠と私とで100%の「はなし」ができたと勝手ながら思い
ました。とても楽しく聴かせてもらいました。
 これから先、師匠の言っていた事を思い出しながら頑張ります。
 ありがとうございました。



「以前に聞いたより面白かった」                     熊谷
 初めて落語を聴いたのは中学の時の総合学習での事でした。その時は後にも先にも
落語を生で体感するのはこれっきりだろうと思っていたので、まさか再び聴く事にな
るとは思ってませんでした。しかも前に聴いた時より比べ物にならないほど面白いな
んて・・・。
 まぁ、キャリアがある人に失礼ですが。でも、今まで正直、落語への興味はそんな
にありませんでしたが、改められました。
 ありがとうございました。



「笑えるか、と心配だったが……」                  西田祥子
 今のお笑いに慣れてしまっているから、落語がはたして笑えるかと心配だった。
 けれど、おもしろかった。今のお笑いよりも全然しっかりしているし、安心して見
れてすっごくおもしろかった。



「思っていたイメージと違った」                   中村優子
 思っていた落語のイメージとちがい、年齢など関係なく楽しめるものなんだなと思
った。おもしろかったです。



「楽しかった」                             匿名
 楽しかったです。落語、いいですね。



「大きな声にびっくりした」                イラスト2年 渡辺
 声が大きくてびっくりしました。
 あんなに声が大きいのって落語が初めてです。
 流れといきおいが大事なんだな、と。



「すご〜〜〜い!」                        丹内絵美子
 はじめて落語というものを見ました。
 しぐさや表情でそばを食べてるんだとかいうのがすごく伝わってきて、すごいなと
思いました。楽しかったです。



「興味深く感じた」                          たかの
 そばをすする、お茶を飲むなどの動作がリアルで驚いた。
 声の大きさやメリハリがはっきりしていて聞きとりやすかった。
 講義の時には、今まであまり興味をもつことのなかった落語の世界のことを知り、
とても興味深く感じました。



「落語と漫画の共通部分」                      中山恵里
 落語を初めて拝見した時、私は良い意味でショックを受けました。
 師匠という言葉の印象から、一体どんな重々しい雰囲気の方がいらっしゃるのかと
思っていたら、とても優しそうな方だったからです。何だか安心して、楽しくお話を
聴けそうな気がしました。
 落語についての講座も、本題である[そば清][寿限無]もとても楽しませていた
だきました。
 私が一番驚いたのは、落語への導入です。いつの間にかお噺が始まっていて、まさ
に引き込まれるような感じでした。
 師匠のお話しを聴いて、落語と漫画には共通する部分があるのだと分かりました。
 ただただ感心するばかりで、本当に勉強になったと思います。
 自分から寄席に行ってみたいと思う程になりました。
 また師匠の落語が聴きたいです。今回は本当にありがとうございました。



「落語とは二度と再現のできない貴重な時間なり」           小林孝一
 落語の裏話(?)が聞けて、大変有意義な時間を過ごすことができました。特に落
語には台本がなくて、落語家と観客の状況、場のふんいきによって同じ筋の話でもか
なり変わってくるという話。落語を聞いている瞬間は、実は二度と再現できない貴重
な時間なんだなと感心することしきりです。
 落語そのものの話も大変面白く、特に[そば清]の清兵衛(?)が、45枚以降の
そばを必死に腹の中へ詰め込みシーンの演技がおもしろかったです。
 機会があったら、寄席に行ってみたいと思います。



「落語の臨場感」                            倉橋
 やはりプロというのはスゴイと思いました。
 ハナし始めると聞きいってしまう、次はどうくるんだろうとか。表情や仕草など見
ても楽しい。テレビで他の落語家とかを「見て」おもしろかったけど、実際に「聞く」
ほうがふんイキや声の調子など臨場感がまったく違う。
 音楽もワラいも生が一番だと思いました。楽しかったです。



「師匠から目を離さなかったくらい……」       アートイラスト 金原貴子
 落語を聞くのは高校の芸術鑑賞会以来の2度目なのですが、今回は圓窓師匠の落語
の解説も聞けてとても面白かったです。
 ナルホドと思う事が多く勉強になりました。
 創の字の事や話という漢字について・・・ナド。
 落語も師匠の顔から目が離さないくらい面白かったです。
 ソバを食べる演技がすきです。
 また機会があれば落語を聞いてみたいと思いました。




「落語の歴史も知った」               イラストコース 川原真弓
 落語をライブで聞いたのは初めてでしたが、落語家は昔「噺家」と言われていただ
けあり、話し方に人をひきつけるものを感じました。
 落語が何百年も昔からあるものだというのも今回初めて知りました。落語にふれる
機会をあたえて下さってありがとうございました。



「表情が可愛い」                            匿名
 おそばを食べすぎて吐きそうな限界の表情が何とも言えず、可愛かったです。
 とてもおもしろかった!!



「映像を見ているようだった」             イラスト2年 小林善美
 初めて生で落語を聴く事ができて、良い経験になったと思います。
 よく通る声と豊かな表情で、一人ではなしをしているのに、映像を見ている様にそ
の場の情景が目の前に浮かんできたのには驚きました。
 表現するための大事な部分を、少しのぞけた気がしました。おもしろかったと思い
ます。



「テンションも……」                          川島
 とても上手でおもしろいと思った。テンションもよかった。



「蕎麦も食べたくなった」                        ヤノ
 声や顔、しぐさや話のテンポなどにききいってしまった。そばも食べたくなった。
またぜひ聴きたい。



「初めての落語」                         AI 佐藤
 初めて落語を聞きました。
 何人もの役を一人で演じていて本当にすごいと思いました。
 話もとてもおもしろかったです。
 途中から来たので最初の説明が落語だと思ってました。



「スラスラと流れるはなし……」                     八島
 落語は初めて聞きました。
 スラスラと話が流れていくのがおもしろかったです。
 人を楽しませるということは、深くて難しいですね。
 また聞きたいと思いました。



「驚嘆するばかり」                           匿名
 清さん([蕎麦清の主人公])の「どぉも!」という挨拶の声が耳に残ったり、瞳
に残ったり。
 動作に引きつけられ、ただ驚愕するばかり、笑っている場合ではないこともしばし
ば。
 そういえば、寿限無くんには、せりふがなかったような。
       (圓窓註:よくぞ気が付いたね。主人公の存在のはずなんだが……)
 人の会話の間がスムーズで、心地良い響きなり!
 清さんの腹がブラックホールに見えてくる! 野づち(妖怪)さながらね。
2006・11・8 UP