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 追っ駆け場所

窓樹改め

三遊亭萬窓 襲名・真打披露パーティー


 年     2001(平成13)年
月日        9月16日(日)
時間 13:00開宴〜15:30終宴
会場        有楽町・東京会館
司会          三遊亭 窓里

開 宴  新真打 萬窓 入場

 ロビー側の屏風が開かれ、萬窓と師匠の圓窓の横並びの立ち姿がなんとも美しい。
二人は客席の左右、中央に頭を垂れ、圓窓の先導で"中の舞"の出囃子に乗って客
席を通って、奥の本ステージに上がる。




挨 拶  三遊亭 圓窓

「落語協会は、この秋、10人を真打に昇進させます。
 それを批判する向きがあります。『十把一からげ』とか、『大量生産』『粗製濫造』
とか。
 要は真打になる人数が問題ではないのです。一人でなろうが、十人でなろうが、百
人でなろうが、その一人ひとりが、良いか悪いかが問題なのです。
 過去を見ても、一人で披露目をしてもパッとしない者もいます。また、十人でなっ
た中から抜きん出た噺家も大勢います。
 今日、こうしてお集まりのみなさんは、十人の中から萬窓を見出してくださいまし
た。だからと言って、この萬窓には10分の1の価値しかない、というわけではない
はずです。
 あたしは、この先、萬窓は十人分の実力と価値観を持った噺家になることと信じて
おります。
 大勢さんから期待をいただいているわけですから、萬窓がこの先、怠けて悪い噺家
になるようなことがありましたら、今日、いただいた祝儀は残らずお返しするように
いたします。
 あたしにも返してもらいたい。返すのなら、早いほうがいい。そうしてもらえれば、
あたしの家の遣り繰りも今月は助かります。
 そのくらいの厳しさを持って、皆様も叱咤、激励してやってください。
 よろしくお願い申し上げます」




祝 辞(短縮 ご容赦) 畝本 至

司会「落語や歌舞伎関連などで窓門全員がお世
  話になっています。落語会の世話人として
  も若手を育ててくだすってます」

「窓樹さんと初めて会ったのは、13年前になります。
 その時の印象は『噺家より歌舞伎役者にむいてるなぁ』と思いました。大師匠の圓
生師もいい男でしたが、萬窓さんも勝るとも劣らない二枚目です。
 二つ目になり、私のやっている地域寄席に出演してもらうようになってから、聞く
たびに腕を上げ、ちょうどいい時期に真打になったと思います。
 本日はおめでとうございます」




祝 辞(短縮 ご容赦) 丸山 宏一

司会「窓門会関連のチラシ、プログラムの印刷
  をやってくだすってます。圓窓の小中学校
  の同級生です」

「先日の落語会〔圓生物語〕でも、萬窓さんのとてもいい[お花半七]を聴きました。
 これからも芸に精進して頑張ってください。おめでとうございます」




祝 辞(原稿文の転載) 吉田 明

司会「インターネット、メーリングリスト〔浮
  世床〕の仲間のお一人。そちらの面から、萬
  窓を盛り立ててくだすってます」

「本日は、萬窓師匠、ご真打昇進、おめでとうございます。
 思い起こせば、萬窓師匠を初めて見しましたのは、14年前、1987年。圓窓師
匠のお宅へパソコンのセットアップをしに、初めてお伺いした時でした。
 その当時、萬窓師匠は入門してから1年ほどで、圓窓師匠のお宅へ前座として通っ
てらっしゃいました。
 その時の、私の第一印象は、ただひとつ。『久米宏に似ている』でした。
 ちょうど、その頃から圓窓師匠は、幅広いご人脈に加え、〔パソコン通信な人達〕
という、他人の目からはワケのわからない人脈を持つようになりました。
 僕は、圓窓師匠がそのパソコン通信な人達とのお付き合いを、いろいろな形でご自
分の芸に反映されているのを、目(ま)の当たりにしていましたので、その当時、圓
窓師匠に何度か「お弟子さんはパソコンなさらないのですか?」とお伺いしたことが
あります。
 圓窓師匠はそのたびに、「うちの弟子は、新しいもんに弱いから」と、おっしゃっ
ていました。

 それから13年、パソコン通信で始まった圓窓師匠とのお付き合いは、インターネ
ットのメーリングリストへ形を変えていったのですが、とうとう、お弟子さんの中で
一人、その仲間に入っていらっしゃいました。
 それが、窓樹さんでした。そして、萬窓を襲名して真打になったのですから、とて
も嬉しいです。
 そんなわけで、メーリングリスト〔浮世床〕の人達も、同じネットワーク仲間とし
て、今回の真打昇進をとても喜んでいます。
 そこで、〔浮世床〕の人達から、萬窓師匠にお祝いのメッセージが届いていますの
で、披露させていただきます。
      ======================
 最初に、熊本の"チャッキーさん"から、
『萬窓師匠、真打昇進おめでとうございます。
 これも一重に圓窓師匠のご指導と、窓樹さんの"たゆまぬ"努力の賜物と考えます。
 素人がこのようなことを言うのは、おこがましいのですが、真打ち昇進とは、一人
前の落語家としての、スタートラインに立ったということ。
 これからさらに、大看板・人間国宝・名人・協会幹部などなど、お好きなものを目
指して、がんばって下さい。
 今後のご健康とご活躍を、はるか熊本の地よりお祈り申し上げます』
                               ============
『はるか』って書いてますが、今日、チャッキーさん、ここにいらっしゃってるんで
すよね。
      ===============
 次は、流山の"大蛇さん"から
『落語[一目上がり]ならぬ"十倍上がり"で、千客万来を祝う狂歌一首
 十倍の その十倍と ふえる客 三遊窓樹 百千 萬窓』
                                ===========
 大蛇さんもあそこにいらっしゃいますので、この歌の意味がよくわかんなかったら、
直接お伺いください。
      ==============
 最後に、札幌の無銭さんから
『萬窓師匠、真打ち昇進おめでとうございます。
 お祝いの会に駆けつけずに、申し訳ありません。
 来年の一月二十五日に札幌で"萬窓師匠 真打ち昇進のお祝いの落語会"を開きま
すので、その時にたっぷりとお祝いをさせて戴きます。
 今から来年のことを言うと、鬼が笑うでしょうか?
萬窓師匠の落語会です、鬼にも大いに笑って戴きましょう』
                                ===========
 ただ今、ご案内したとおり、来年1月25日に札幌で萬窓真打昇進のお祝い落語会
が開かれます。圓窓師匠も同伴します。
 その時期には、みなさん、札幌にぜひお越しください。
 真冬の北海道ですので、落語[弥次郎]に出てくる、生(なま)の"おはよう玉"
が見られます。


 その他にメーリングリストの仲間も、お祝いという事で、みんなでお金を出し合っ
て、〔東京かわら版〕に広告を出すことにしました。
 かわら版の10月号に、萬窓師匠のインタビューが載りますが、その同じ号に萬窓
師匠の祝い広告が1ページ掲載されます。
 圓窓師匠が五百噺を達成した時も、みんなでお祝い広告を載せたのですが、その時
は裏表紙に15分の1ページでした。
 今回は、1ページ、バーーンと出して、版下もプロに頼んで、その上、まだお金が
余ったというくらい、お祝いが集まりました。
 集めたお金で余った分は、ご祝儀として後日お渡ししますので、世界平和にでも役
立ててください。
 みんな、とっても萬窓師匠に期待を寄せております。
 本日は、誠におめでとうございました」




鏡 開 き 萬窓 萩野喜弘 圓窓

司会「萩野氏は酒樽の贈呈者です。新潟県で中
  学校の教員をなさってまして、校内で落語
  鑑賞会も企画してくださったお方です」
エ イ エ イ エ ー イ ! ! !




乾 杯  栄 由利

司会「ご発声は、萬窓が稽古に通っている小唄
  の師匠です」
カ ン パ ー イ ! ! !




会 食  全員 一斉に

司会「どうぞ、召し上がりながら、ご歓談くだ
  さいませ」
オードブル盛合わせ
コンソメ ゴール風
鰈のシャンパン蒸し
牛フィレステーキ ボルド風ソース
季節サラダ
三色シャーペット
コーヒー
「旨いね」「いい味だ」「これでなくっちゃ」「さすが、東京会館!」
ワ イ ワ イ ガ ヤ ガ ヤ ! ! !




余 興 ・ 玉すだれ  柳家一九 三遊亭歌る多 柳家太助

司会「落語よりも張り切っております」
アサテ アサテ アサテ サテ 南京玉すだれ ! ! !




歌 謡 シ ョ ウ  潮 えい子

司会「萬窓の行き付けの板橋の飲み処のおかみ
  さんです」
持ち歌の ♪ [しばらく音頭]♪ [北上川旅情]♪
美空ひばりのヒット曲 ♪ [港町十三番地]♪




大 黒 舞  今井 茂雄


司会「佐渡からやって来た祝いの舞です」

大黒の衣装に面
会場を舞い歩きながら 萬窓と圓窓に祝儀の飴と昆布を配り
ステージへ 改めて一舞




謝 辞  三遊亭 萬窓

「ニュ−ヨ−クでは大変な事件が起きました。
 6年前の阪神・淡路大震災の二ヶ月後、神戸でボランティア落語をやりました折、
みな、涙を流して喜んでくださった。
 噺家になって本当に良かったと思いました。
 これからも、期待を裏切らない真打になることを約束します。
 本日はありがとうございました」




三 本 締 め  三遊亭 吉窓

イヨーッ シャシャシャン シャシャシャン シャシャシャンシャン !




お 開 き  萬窓 圓窓

みなさんへお礼のお見送り
ありがとうございました ありがとうございました




後 日 物 語


” 余韻に浸ってください ”
語り  無 銭


 圓窓師匠、萬窓師匠。
 真打昇進お披露目の祝賀会、おめでとうございます。
 お疲れさまでございました。
 萬窓師匠はまだその余韻にお浸りのことと思います。
 電車の中で突然、ニタリニタリということのないように、、、(笑)
 いよいよこれから、真打昇進の寄席興行ですね、頑張ってください。
 来年の一月二十五日、札幌での落語会楽しみにしています。
 とりあえずは、お祝いを一言、、、。




” 鏡開きの謎が解けた”
語り  あきら


 萬窓師匠の真打披露興行から一夜明けて、頭ガンガンなあきらです。
 昨日の、真打披露興行はとても盛会でした。
 圓窓師匠から「照れずにやりなさい」とお小言を頂きましたが、あたくしの懸案の
スピーチも無事終えました。


 昨日の樽酒はおいしかったぁ。
 鏡開きって、樽を割るんだと思ってたんですけど、あーゆー形だけのってあるんで
すね。
 実は、自分の成人式のとき、土着な連中に混じって、誰も知り合いのいない状態で
ポツっと座ってたら、市の人に鏡開きを頼まれまして、ワケのわかんない状態で、ス
テージに上げられました。
 で、小槌もってドスンと叩いたら、割れないんで思いっきりもう一度やったら、市
の人が慌てて制止するんです。
 僕はてっきり「かつがれた」と思って、20年間ずーーーっと、イヤな思いしてたん
ですけど、あーゆーのもあるんだと言う事で、今度は自分が無知だったことに、自分
が情けなかったってのを知りました(笑)鏡開きは鬼門です。


 料理も手が込んでました。ちっちゃいパイの中にブルーチーズをクリーム状にして
入ってるやつなんて、おいしかったなぁ。
 終わってから師匠にもご馳走になって、どうもありがとうございました。




” 温かいパーティーに感激”
語り  仲野 兼夫


 昨日(9月16日)、萬窓さんの披露宴でお目にかからせて頂きました横須賀市の
仲野と申します。
[九州吹き戻し]の席におりまして、萬窓さんとは義理の従兄弟になります。
 昨日は師匠に「ホームページをもっと頻繁に更新して下さい」などと失礼な事を申
し上げてしまいました。
 実は今、拝見させて頂いているのですが、今月(9月)はすでに3回も更新されて
おられました。誠に申し訳有りませんでした。軽率な発言でした。
 落語家さんのパーテイーに出席させて頂いたのは初めてだったのですが、楽しくて
いいもんですね。皆様のご祝辞、お仲間の皆さんの余興、とても温かくってすばらし
かったです。皆さん応援して下さっているんで萬窓さんも、頂いた御祝儀をお返しす
る事の無いようにがんばってもらいたいと思っております。
 10月15日の浅草演芸ホール(萬窓の披露日)へお邪魔するつもりですので、今
度は客席から拝見させて頂きたいと思っております。
 お体を大切に、ますますの御活躍をお祈り申し上げます。




” 駄洒落の言い残し”
語り  丸山 宏一


 先日は失礼しました。
 圓窓師匠からの「スピーチを頼む」だけのFAXだったから、結婚式での宴席の途
中の軽い祝辞だと思っていたのです。
 ところが、開宴直後の祝辞、窓門会を代表して2番目にしゃべるなんて考えていな
かったので、ちょっと上がり気味だったかもしれません。内容がマッチしていなかっ
たようで、萬窓さんにも謝っておいて下さい。
 会費が2万5千円だけど、こんな目出たい会なら3万円でもいいんじゃないかな。
祝辞も「三遊亭・萬窓・圓窓の頭文字をとると、"三萬圓"になる」という駄洒落のオ
チで終わるつもりだったんだけど、喋っている途中、ちょっと変かなと思ったのでヤ
メにしました。もったいないことをしたと、悔やんでます。(笑)


 それでも出席者も多く、立派な会でびっくりしました。
 窓門の皆さん、これからも頑張ってください。




" 萬窓さんの挨拶は 力強い宣言 "
まるがお通信(57) 千馬 千恵


 萬窓さん。真打おめでとうございます。
 台風、テロと空を見上げる日が続きますが、3年前、そう、3年前のしし座流星群
のあの夜空を見上げた頃から「窓樹さん(萬窓さん)はもう絶対真打!」って思って、
この時を待っていました。


 2001年9月16日、東京会館での真打披露パーティーの開宴の少し前、ウェイ
ティングルーム。大勢のお客様の中を忙しく、しかし、立ち振舞からして美しい方を
発見! この方が萬窓さんの奥様でした。「きっと、萬窓さんの噺の中でもとても大
事なモデルさんでもあるのだなぁ」と納得。
 萬窓さんの噺のマクラにある「汽車のボックス席に1人で、3人家族と乗り合わせ
て、1人気恥ずかしく本に目をやる」という場面も、もう逆の立場になりましょう。
噺の巾が広がりますね。

「圓窓師匠もすっかり安心のご様子」と、これまた勝手に納得。いいお弟子さんばっ
かりだ!!
 見事な感動的なスピーチと三本締めの音頭をとった吉窓さん。司会の窓里さん。お
二人もきっとご自分の時の事、思い出されていらっしゃるのでは・・・と思います。
 次の番になるのは本日スーツでカッコよくキメた窓輝さん。平和な青い空の下で・
・・私は楽しみにしています。頼みます。


 演歌に酔い(前の”欠伸指南”の円卓にはとっても静かに聴いている小さな淑女《
紳士かナ?》がおりました。感心!)、紅白のオリジナルワインに酔い、和田さんに
ご紹介していただき、お隣の席の西さんや北澤さんと「落語談義」に酔わせていただ
きました。


パーティーのお開き近く、萬窓さんのご挨拶は、とても力強い宣言と受けとりました。
忘れません。このような場"真打誕生"の場に立ち合わせていただいた事、感謝いたし
ます。
 下席からの披露興行、聴かせてください。
2001・10・29 UP