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圓朝祭”落 語 会”


2002年7月26日(金)
18:00〜
虎ノ門 イイノホール 料金(全席指定) 4800円


プ ロ グ ラ ム

「道具屋」扇橋 / 「義眼」文治 / 「中沢家の人々」円歌
「圓朝作・真景累ヶ淵」歌丸
中 入 り





「圓朝作・"椿説蝦夷訛"より 熱き思い」三遊亭 圓窓
                  篠笛・坂本真理

明治二年 五稜郭の戦場に流れた篠笛の音が
明治十年 若い男女を結び付けたのだが……





「らくだ」圓蔵 / 「お化け長屋」小三治





圓窓師匠のお噺に

篠笛を吹かせていただいて

篠笛演奏家:坂本真理


 初めまして、篠笛奏者の坂本真理と申します。
 圓朝祭で、圓窓師匠のお噺[椿説蝦夷訛より 熱き思い]の時に笛を吹かせていた
だきました。
 不思議なご縁で、圓窓師匠に今回のお話を伺ったのが、本番3週間前。
 それから、「リハ、そして当日まで」を振り返ってみたいと想います。


 落語との共演、もちろん初めての経験です……、さて、どうしたものか……。
 お噺では、其々の場面での登場人物が篠笛を奏でるという設定でした。
 まず課題は、場面に合った選曲。それから師匠のお噺の邪魔をしない演奏の仕方、
台詞との間でした。
 まさに試行錯誤のスタートです。


 勉強不足で大変お恥ずかしいのですが、落語の世界は私にはとても遠い存在でした。
 父や友人が落語ファンなので、さらりと聴いた事はありますが、ちゃんと面と向か
った事はありませんでした。
 結果的には、実はそれが却ってよかったのかもしれませんが……。
 とは言うのも、圓窓師匠や落語界の伝統的常識や真の凄さをまだ知らなかったので、
必要以上に萎縮せずに気張らずにいられたのです。
 また、お噺がとても聴き入りやすい背景でしたので、笛が入ることにはなんの抵抗
感もなかったのです。無知の強さ(怖さ?)でしょうか……。もちろん、未経験なので
その事に対する不安はありましたが、実際に、思っていた以上に違和感もなく、すん
なりとお噺に入って行く事が出来ました。
 当日、私の篠笛の先生(鯉沼)が客席で聴いて下さったのですが、「落語に三味線
や太鼓以外の音楽が入るのは初めて聴いたが、意外と良いものだね」とおっしゃって
下さいましたので、少しほっといたしました。


 さて、お噺の中で篠笛が出てくるのは、全部で5シーン。
 1,2,3は特に問題なく選曲でき、あとは台詞との間の問題でした。
 難しかったのは、3と4の暖かで幸せなシーン。直前まで曲のイメージがつかめな
く、最後のリハでも変更してしまいました。


 落語の世界は、大変に厳しく伝統を守っている古典の世界という固定概念をもって
いました。実際にそうなのかもしれませんが、でもとても聴衆と密着したもっと楽し
くもっと身近なものなのですね。
 そして噺家の方々の情報量、記憶力、応用力、柔軟性、瞬発力etc.そして聴衆
の心にストレートに入っていく、わかりやすくリズムカルなストーリー性の表現力と
話術。どれをとってみても、本当に凄い!!
 リハーサルもそうでしたが、特に本番の当日。圓窓師匠と舞台(高座?)をご一緒
させていただいた時、ことさら痛感いたしました。
 せっかく落語の世界と出会ったのですから、今度はちゃんと落語を聴きに行こうと
思います。


 とても光栄でした。
 振り返ってみると、さらにその想いは増していきます。
 また機会があったら、ぜひチャレンジしてみたいと思います。
 私の大切にしたい言葉「一期一会」が大きく光ってきました。
 心から……、ありがとうございました。


 奏者側としては、反省点も山積ですが、楽しく興味深く取組みさせていただきまし
た。ぜひ、お客様や落語通の方からのご意見ご感想を伺ってみたいなと思います。





サイトの「掲示板」より

新しい試み 嬉しい限り

ユ キ コ


[熱き想い]での、篠笛の優しい音色、終幕の劇的な演出。
 新しい試みで構成された噺が「圓朝祭」で初演されたのは、嬉しい限りです。
 が……、途中で篠笛が挿入された時に、笑い声が起きたのは……、解せない。


  圓窓より ユキコさんへ。
 客席で、お聞きくだすったんですか。ありがとう存じます。
 パソコンに向かって高座本を作りながら、思考錯誤を重ね、ああいう演
出になりました。
 エンディングは本番二日前の24日に改訂したものです。
 こういう苦楽はたまらなく好きなんです。(笑)
「途中、篠笛が挿入された時に、笑い声が起きたのは解せない」とのこと
に、ちょっと触れます。
「篠笛4」の場面だと思います。前の「篠笛3」が「なにかのときに聞こ
えてきます」「なにかのときとは?」「うまく言えませんが、こういうと
きかもしれません」という台詞がありまして、歌舞伎でいうと濡れ場を連
想させる台詞でした。
「篠笛4」も客はそれを連想して、照れたような笑い声になったのでは、
と解釈をしてます。
 あたしとしても予想外の反応で、驚きました。
2002・8・31 UP